私は私。

アディッシュ取締役 杉之原明子のブログです。

『案件タスク』と『事業タスク』という働き方

NY旅行中、『新クリエイティブ資本論』(リチャード・フロリダ)を読んだ。
 
だいぶはしょってまとめると、世の中には以下の3つの働き方がある。
  • 「ワーキング・クラス」
  • 「サービス・クラス」
  • 「クリエイティブ・クラス」
 
「ワーキング」「サービス・クラス」は、決まりきった仕事、肉体労働で報酬を得る。「クリエイティブ・クラス」は、知的かつ社会的スキルを駆使する頭脳労働で報酬を得る。

生活の変化は、技術の劇的な変化以上に、旧秩序の崩壊によるライフスタイルや世界観の変化の方が大きい。流動的かつ不確実な現代においてクリエイティブ・クラスの影響力が大きくなっている、というのだ。

この本を読みながら、改めて、私たちの『案件タスク』と『事業タスク』という働き方について考えた。

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職能や立場によって割合は違うが、私たちは、誰もが両方のタスクを持っている。
 
・案件タスク:
今日を生きるためのタスクのこと。
短期的な目標達成のための業務、きちんとやらないとお客様やメンバーに迷惑をかける。営業で言えば、○○様に連絡する、○件訪問する、○○を作成するといったタスク。

・事業タスク:
チーム、事業、会社の未来を見据えたタスクのこと。今日やらなくても誰にも迷惑をかけないが、2年後の事業やチームのために必要。営業で言えば、営業施策、未来会議、事業計画の作成、広報など。全社タスク、採用もここに入ると思っている。
 

新クリエイティブ資本論で言う、
  • 「ワーキング・クラス」「サービス・クラス」は『案件タスク』
  • 「クリエイティブ・クラス」は『事業タスク』
にあたるかもしれないわと思ったのだ。

『案件タスク』と『事業タスク』を同時に持つのは大変だ。案件タスクだけでも十分大変なのに、事業タスクにも追われる。

しかも、事業タスクは長期的な切り口でのタスクだから、達成感を感じることばかりではないし、短期的には評価だってされない。全社タスクに至っては、会社のためとやってるのに、それに対して心ない批判がきたり。
 
知らねーよ、ならお前がやれよ。と何度思ったか分からない。


ただ、7年間、『案件タスク』と『事業タスク』の両方を同時にやってきて分かった。

事業タスクは、確かに成果が見えにくいし評価されにくい。しかし、いずれ、案件タスクだけをやるよりもはるかに大きく自分のスキル・人脈・評価として返ってくる。

これは間違いない。

 
事業タスクは、事業なりチームの中期像を考える必要がある。その像に向けて新たな一歩を作り、人を巻き込んでタスクを実施する。

タスクをやりました!は、まだしょぼい。

実施した後に、良いと思ったものはそれを仕組み化する。もっと多くのチーム、さらには会社が使えるように抽象化する。それをやりたいと思ったチームを支援する。チームなり事業なり会社の文化となれば、そこまでやれば、事業タスクの最高な形だ。


クリエイティブ・クラスが事業タスクならば、事業タスクだけできるようになればいいってこと?

私にはそれは考えられない。

『案件タスク』は職能や立場における基礎スキル、『事業タスク』は事業なりチームの未来を作るスキル、を指すとも思っている。

基礎スキルがない状態で果たして信頼を得られるのだろうか。それに、『事業タスク』を達成するためにタスクブレイクすると、数々の『案件タスク』で成り立っていることに気づく。確かに自分ですべてが出来る必要はないが、何事も、新しいことは少人数で始まる。

繰り返しになるが、『案件タスク』『事業タスク』の両方を持つことはただ事ではない。事業タスクも評価されたい、なんて思ったら、なおしんどい。ただ、やった分だけ、自分のスキル・人脈・評価となって大きく返ってくる。いつの間にか、かなりの力がついている。


就職活動中、「若手にも権限があります」という話をいくつも聞いてきた。

今なら、案件タスク、事業タスクそれぞれの視点でどんな仕事をしているか、権限とは何をさすのか、予算権・採用権まであるのかを聞いて回るだろう。案件タスクの後に事業タスクのステージにいくという会社もある。そのステージにいけるには5年、10年と聞くこともある。

どの働き方が良いかは自分で決めることだ。自分の軸、ライフプランやキャリアプランと照らし合わせて会社を選択する。
 
 
現時点では、私は、その上でこの会社にいることを選択している。
 



<今回の旅で読んだ本>(他に小説2冊読んだよ)
 
*新クリエイティブ資本論
新 クリエイティブ資本論---才能が経済と都市の主役となる

新 クリエイティブ資本論---才能が経済と都市の主役となる

 

 

*リッチ・ウーマン