不都合の嵐と乗り合いカルチャーを体感、フィリピンの交通手段すべて使ってみた
フィリピンの通勤ラッシュは過酷だ。
鳴り響くクラクションは、落としどころのない会話のよう。

バス、タクシー、乗り合いバン、ジプニーが次々に到着し、
止まるや否やドアというドアが開き、驚くほどの人が降りてくる。
そして、すぐに次の利用客がどんどん乗り込む。
ひとつひとつの動きは非常に迅速に思える。
フィリピンの交通事情をばっくりとまとめるとこんなかんじ。
- 渋滞がまじひどい
- タクシーに信頼がない
- 相乗り文化あり
1.一番高いのに一番気が抜けないタクシー
空港に降り立ったら、まず使うのがタクシーだ。
マカティ市内を目指す。
フィリピン人も「常に気が抜けないの」と言うほど、
ぼったくりを始めとして危険なエピソードは絶えない。
ちなみに、19時頃、マニラからタクシーに乗ろうとしたら
マカティまでひどい渋滞だから、と5台連続で乗車を断られた。
回転率を考えたら確かにそうだよな。
2.電車、ラッシュ時は乗るのに1時間
Manila MRTを利用した。
ホームも電車も日本と変わらない。
タッチ式の改札だが、片道の場合はあともうちょっとだ。
片道切符を求めて窓口に並び、
運賃がチャージされたカードを受け取る。
改札機にタッチして乗車、出口では改札機にカードを吸い込ませる。
なんかなー、あともうちょっと!
ある日の夕方、駅を見ると、駅前を越えてずーっと列が続いていた。
電車に乗るまで1時間とのこと。
無理ゲーである。
3.バスのテレビでみんなで歌って笑う
乗車すると、前から順に係の人が精算をしていく。
行き先を告げ、指定された運賃を支払う。
どれもテレビかラジオ放送がされているらしい。
私が乗ったバスはテレビが設定されていた。
放送されていた映像はおそらく運転手の趣味。
渋滞中、軽食販売の人が一瞬乗ってきて、ピーナッツを売る。
なぜピーナッツ。
運転手の趣味ではなく、CMとか、
ピーナッツではなく、水とかビールとか。
渋滞で乗車時間が長いだけに、もっと何かできそうだ。
4.助け合いのお手軽ジプニー
マカティ市内も走りまくっているのが、ジプニーだ。
天井がやたら非常に低い空間に、後ろから飛び乗る。

車が発進すると、乗客が次々と運賃を前に送っていく。
ドライバーは、運転したままの状態でおつりを後ろに渡す。
そして乗客が人から人へとおつりを送っていく。
なんだ、この助け合い!
成り立ってるのか、この集金で!
聞くと、回収率は半分くらいなんじゃない?とのこと。
そんなのはどうでもいい。
ほっこり感の方が大きい。
5.究極の乗り合いバン、UV EXPRESS
次に衝撃だったのが、乗り合いバスだ。

6.おまけ:観光の代名詞!トライシクル
マニラにあるインストラムロスという観光地に出かけた。
スペイン語で「城壁の街」。
スペイン支配と日本軍の爪痕を感じる、歴史ある地区だ。
インストラムロスでは、人力車的な立ち位置のトライシクル。
30分300ペソ(1ペソ=2.8円くらい)と言われて無視したが、
60分300ペソになったので乗ってみた。
なんだかんだ2時間降ろしてもらえなかったけど、
みっちり観光案内付きで、
狙っていたすべての教会・史跡に行けてちょー満足。運賃の肌感覚はこんなかんじ。
タクシー≫≫≫バス=UV EXPRESS SERVICE>電車>ジプニー
不都合の嵐と乗り合いカルチャーに、
こういうところでシェアリングエコノミーが一気に広がるんだろうな、
と、それっぽくまとめておく。