福利厚生ではなく『トータル・リウォード』、「感謝と認知」を意識した1年
言葉選びの大切さ
私は、『言葉選び』の大切さに気づいてきている。人の話を注意深く聞いていると、自分と言葉の解釈が違うことに多々気づかされる。これが時に厄介で、コミュニケーションをややこしくしたり、誤解が生まれたり。そこら辺にある言葉を安易に使うと、結果として、思わぬ方向に事が動くことがあるのだ。
だから私は、組織を作る上で、どの言葉を選ぶかを大切にしている。正確に言えば、少なくとも、自分が納得している言葉を使うようにしている。
補足しておくと、私はカタカナが好きなわけではない。ただ、例えば「福利厚生」という、人によって解釈は違えど既に強いイメージがある単語をそのまま使い続けたり、あるいは再啓発するよりも、何のイメージも持たれていないカタカナを用いてその言葉を選んだ背景から話す、という選択をしている。
『トータル・リウォード』ってやつ
就職活動をしていた頃、「福利厚生制度が整っているかどうか」という表現にずっと違和感を持っていた。しかも、女性として長く働くには、という文脈で使われるもんだから、なんだかその会社のレールに強制的に乗っけられるような、窮屈な言葉のように感じた。
もし、私が会社の福利厚生を作るとしたら、制度を作りまくることを目的にしたくないな、何か違う考え方はないかなと、そう思っていた。
そして発見した。『トータル・リウォード』という考え方を。
・福利厚生とは企業が従業員に対して通常の賃金・給与にプラスして支給する非金銭報酬のこと
・トータル・リウォードとは報酬を給与や賞与といった金銭的報酬のみならず、従業員の成長や周辺の人的関係といった非経済的報酬も含めて総合的に捉える報酬に関する新しい考え方のこと
『トータル・リウォード』とは、具体的には、以下の6つの観点から非金銭報酬を考えよう、という考え方。
(Acknowledgement)感謝と認知(Balance)仕事と私生活の両立(Culture)企業文化と組織の体質(Development)成長機会の提供(Environment)労働環境の整備(Frame)具体的行動の明示
「感謝と認知」がないじゃん!
早速、総務・労務のメンバーと、アディッシュ及びガイアックスグループにある制度を洗い出し、6つの観点で分類した。
そして気づいた。「感謝と認知」の施策があまりにも少ないことに。それどころか、アルバイトメンバーへのクリスマスケーキプレゼントなど、「感謝と認知」への経費削減をしようとしていた自分に。
さらに気づいた。以前のブログで、会社にあったらいいなと思う制度を社員が考えたプロジェクトをちらっとご紹介したが(制度がどうだこうだより、ナッジを仕掛けまくりたい - 私は私。)、ここから実現した制度は「仕事と私生活の両立」「成長機会の提供」「労働環境の整備」の観点ばかりだったことに。

つまり、「感謝と認知」は、意識的に取り組む必要がある状況なのだということに気づけた。こうして、2016年、管理部では、「感謝と認知」を『ハートフル作戦』と名付けて様々事業タスク化した。
<感謝状を勝手に贈呈作戦>
2016年は、採用活動をサポートしてくれている福岡コールチーム、ガイアックス労務に勝手に感謝状を贈呈した。

<ミッション大賞の実施>
初の試みとして、ミッション大賞、プロフェッショナル大賞(職能タスク部門、事業タスク部門)の選出を行った。
<年末企画!全拠点に感謝状ボックスの設置>
感謝状施策を、アディッシュ全体に広げちゃえ!という発想で、感謝状ボックスを全拠点に設置。手書きにした理由は、メールアドレスを付与していないメンバーにも届けるため。

投函された感謝状。

他拠点のメンバー宛のものは、先週発送した。明日以降、みんなの手元に届くのが楽しみ!
これからも、6つの観点でアディッシュの非金銭報酬を設計したいし、メンバーからの提案がガンガン来ちゃう土台を考えていきたい。