「制度がある」=「働きやすい」なのだろうか
昨年のことだが、サイボウズ社が20周年とともに新聞一面に出した広告「働き方改革に関するお詫び」に感動し、何よりそのアクションに痺れた。
「アリキリ」「働き方改革に関するお詫び」で話題 サイボウズ広報・杉山浩史氏インタビュー|@人事ONLINE
サイボウズ社の制度を眺めているだけで分かる。働き方改革や女性活躍という単語にとらわれたものではない、「社員ひとりひとりの働く・生きる」に向き合っている会社なのだということが。
女性活躍を支援するための制度?特にやってません!
アディッシュは、嬉しいことに2016年ForbesJapanWomanAwardで第4位を受賞した。とある媒体のインタビューで、代表の江戸が「女性活躍を支援するための制度は特にやってません」と言いきった。おいおい、いろいろやってるだろうと思ったが、確かに、アディッシュには女性だから、男性だからという考え方はない。それだから、展開している施策も性別が関係ないものばかりだ。「女性活躍を支援するための制度がない」と言うのも一理ある。
制度ではなく、動機と向き合いたい
ひとりひとりの動機と向き合うこと、これが根本なんだと思う。アディッシュには、『adishional valueシート』と呼ばれる社内で開発したWebサイトがある。「所属していた部活はなんですか?」に始まり、「得意としている仕事は?」「生涯成したいことはなんすか?」といった23の質問で構成されていて、過去・今・未来についての問いが並んでいる。
「これが自分の喜びだ」「こういう働き方をしたい」という、ひとりひとりの動機と向き合い、それをサポートしていきたい。
制度ではなく、事例を蓄積したい
ひとりひとりの動機やライフステージと向き合うと、当然、既存の制度に当てはまらないサポートの仕方が求められる。ひとりひとりが自分と向き合い、チームメンバーと向き合い、前例に縛られずにサポートしていく力が求められる。どこにも正解はない。そうやって実践された、活きた事例が100ある状態がいい。
制度ではなく、「制度(たたき)」がいい
しかし、現実には様々な壁が立ちはだかっていることに気づく。
- チームの信頼関係がいまいちの壁
- 本人の信頼貯金や認識がいまいちの壁
- 「●●の理由だから出来ない」前例に縛られるの壁
- 「どうサポートしたらいいか分からない」思考停止の壁
- 制度がないから対話がないの壁
それを思うと、制度があるからこそ対話が進むこともあるのだろう。対話を促進するためにも制度化していきたいと考えている。
しかし何を作っても、結局は、
- 制度はあるけど使われない
- 制度が自分に合わないから諦める
- 制度ありきのサポートしかできない
が発生するだろうなということ。制度はあくまでもたたき台なのだ。ひとりひとりの動機と向き合い、既存の制度をたたきにサポートしていく。やっぱり100通りの事例がある状態がいい。
#早速、制度化しました
【press release】アディッシュ、柔軟で多様な働き方へ向けて 時間単位の有給制度を導入 ~個々のパフォーマンスを発揮できる風土創り~ | adish